ヤマハ藤田 シーサイドクラブ
American Life /REGAL 26 OBX
アメリカのファミリークルーザーの世界で、「REGAL」の躍進が目覚ましい。
今回紹介するのは、デッキボート FasDeck シリーズの艇体をベースとして生まれた船外機モデル「REGAL 26 OBX」。
アウトボードを強く打ち出す同社の新たな挑戦。
日本の海でも存分に愉しめそうな魅力にあAmerican Life ふれた一艇を、フロリダからリポートする。
text: Takayuki Kijima
photo: Kai Yukawa
special thanks: REGAL JAPAN
http://regalboats.jp
■■ リーガルボート 26OBX
PDF版は こちら>>> regal26obx
2017年のイヤーモデル(発表は2016年)から突如、ラインナップに加わった「REGAL(リーガル)」の「Outboard Series」。
長らくインボード(ポッドドライブ含む)およびインアウト艇を中心に、ランナバウトやエクスプレスクルーザーを製造してきた
アメリカきっての独立系(コングロマリットに属さない)ビルダー「REGAL 社(Regal Marine Industries, Inc.)」にとっては
大きな変革だった。
現在、2018年モデルの「Outboard Series」には、33フィート艇の3モデルを筆頭に、29・26・23・21フィートの各レンジ
に1モデルずつ、合計7モデルをラインナップしている。同社のホームページなどを見ても船外機モデルを積極的に売り出して行く
姿勢は2018年モデルからも強く感じられる。
ここしばらく、ヨーロッパマーケットへの製品展開を強く意識してきたREGALが、北米マーケットでも強い訴求力と競争力を持つ
船外機艇に力を入れてきたことは示唆的だ。もちろん日本のマーケットでも船外機艇は歓迎される。特に20フィート台のランナバ
ウトやエクスプレスクルーザーに、輸入船外機ボートがほとんどないことを考えると非常に魅力的である。
今回紹介する「26 OBX」は、インアウト仕様の「26 FasDeck」の船外機バージョンとなる。「FasDeck」はかつてREGAL
のラインナップに存在していたデッキボート(またはポンツーンボート)を2008年に全面的にリニューアルしたシリーズである。
デッキボートは日本で目にする機会は少ないが、広々としたデッキが魅力でピクニック的な使われ方をするデイボートだ。
見かけによらず「走る」ボートが多く、北米では人気のカテゴリー。
「FasDeck」がデビューした2008年、例年であればフロリダで開催されるREGAL 社の新艇発表会は、珍しく南仏コートダジュ
ールで開かれた。
その席上、22フィートと25フィートの「FasDeck」が華々しくデビューしたのを記憶している。それらを一回り大きくしたモデ
ルが「26 FasDeck」である。
それまでやぼったい印象のあったデッキボートを大きく生まれ変わらせた独創的なデッキボートで、まるでウェイクボード専用の
トーイングボートかと見紛うバウをスクエアにした形状が斬新だった。
艇体は深いVとバウから両サイドに大きく張り出したチャインが特徴的。船底の中央部より少し後ろに1段のステップが切られ、
いわゆるREGAL独自の「FasTrac Hull」と呼ばれるステップハルを採用している。
「FasDeck」デビュー当初はほぼカセドラルの船型が採用されていたが、その良いところを残しつつブラッシュアップされた艇体
に生まれ変わっている。
「26 OBX」の場合、全長は8.1m、全幅は2.6m、喫水は0.9m。トランサムデッドライズは21度とかなりのディープVだ。
26フィート艇としては決して広いビームではないが、高速旋回中でもきついヒールは見せない。
REGALの「FasTrac Hull」は比較的低い出力でもパフォーマンスボートのような素晴らしい加速力を発揮するが、「26 OBX」
のパワートレインは十分すぎるレベルだ。
「YAMAHA F300XCA」または「YAMAHAF250XCA(F250XB)」を採用。
インアウト艇の「26 FasDeck」のパワーレンジは300 ~ 380馬力だから、より軽量の船外機ということを考えればほぼ遜色は
ない。
「26 OBX」、「26 FasDeck」ともに、その独特のハル形状を最大限に活かした広々としたデッキが魅力である。ほぼビーム
いっぱいあるバウデッキは特にワイドで、艇体サイズ以上の広さを体感できる。デッキレイアウトは使い勝手の良いセンターウォ
ークスルー、右舷のコンソールにヘルムステーション、左舷のコンソール下部はちょっとした個室となっておりシンク類が設けら
れている。
ここはオプションでトイレにも変更可能だ。
パッセンジャーシートの背もたれはフリップタイプで、前向きにも、後ろ向きにも使用可能。後ろ向きに使えば、コックピット
のL字型大型ソファと一体化する。コックピット右舷側には対面ソファもあり、とにかくシートスペースが多い。
コックピット後部はULTRALOUNGEと呼ばれる大型サンパッドを配置。船外機の両サイドには長めのスイミングプラットフォー
ムが備わる。
またシートやデッキフロアの下には数多くのストレージがあり、オープンボートの外観に似ずかなりの収納スペースを誇る。
「釣り」がほとんどだった日本のマリン事情もここ10年で大きく様変わりしてきた。こういったオープンのデッキボートで真夏
の海を楽しむ環境と文化も、以前よりは整ってきたように思う。しかも手軽な船外機艇。まさに日本向けの一艇と言えるかもしれ
ない。P.B.
【REGAL 26 OBX】
全長 8.1 m
全幅 2.6 m
喫水 0.9 m
重量 2.15 ton
エンジン YAMAHA F300XCA
最高出力 300 HP
燃料タンク 390 L
清水タンク 45 L
問い合わせ先 リーガルジャパン
TEL: 079-322-8800
http://regalboats.jp
前の記事
次の記事