ヤマハ藤田 シーサイドクラブ
MASSIVE & SPORTINESS
「REGAL」から注目のニューモデルが登場した。2017年モデルとして「REGAL」が久々に投入したフライブリッジモデル
「REGAL 42 Fly」。
よく知られたエクスプレスクルーザーとはひと味もふた味も違う、シックな装いを纏ったアメリカン・サロンクルーザー。
この最新「REGAL 42 Fly」のシートライアルを、フロリダ・キーラーゴの沖合で行った。マックス34ktをマークするニュー
カマーの魅力を紹介しよう。
text: Takayuki Kijima
photo: Kai Yukawa, REGAL MARINE
special thanks: REGAL MARINE
REGAL JAPAN
http://regalboats.jp
■■ リーガルボート 42Fly
PDF版は こちら>>>REGAL42Fly
アメリカのボートビルダー「REGAL(リーガル)」は、1969年の創業以来、中型~小型クラスのエクスプレスボートを
数多く作り続けてきた。特に小型ランナバウトには定評があり、JD Powerをはじめとしたさまざまな賞に輝いている。
アメリカの独立系ビルダーとしては最大規模を誇り、一貫して家族経営を続けており、独自の設計や自由な発想による新た
な機構など、アメリカの大手プロダクションボートビルダーの中でも一風変わった地位を築いている。「REGAL」のライン
ナップはほとんどがエクスプレスクルーザーだが、2017年モデルで目を引くのはアウトボードモデルとフライブリッジモデ
ルの投入だ。
「REGAL」のフライブリッジモデルは、過去にさかのぼっても極めて少ない。21世紀に入ってからは、2003年にデビュー
した「3880 Sedan Bridge」と、2007年デビューの「4080 FlybridgeSedan」の2艇種のみ。今回の「42 Fly」は、2017
年モデルとして新たに開発されたブランニューだ。
この「42 Fly」のデビューと同時に、同じハルをベースとしたハードトップモデル「42 Grand Coupe」も登場している。
「REGAL」の本拠地フロリダ州には、マイアミやフォートローダーデールなど、入り組んだ水路と多数の橋脚が並ぶエリア
が数多くある。橋脚の多くは開閉式だが、都度連絡して開けてもらう必要があるため、どうしても待ち時間が多くなる。そ
れを嫌う同地のオーナーたちには全高の低いエクスプレスやハードトップが重宝される。「42 Fly」の姉妹艇「42 Grand
Coupe」は、そういった位置づけのモデルだ。
「42 Fly」は、従来の「42 Sport Coupe」と比べるとわずかにハルサイズが小さくなっているが、フライブリッジが付いた
ため重量は約3トン増加している。そして室内空間そのものは逆にかなり広くなった。特にミジップに設けられたアフトステー
トルームは素晴らしい空間だ。ヘッドクリアランスも十分あり、フルサイズのキングベッド(ツインベッドへの変換も簡単に行
える)を配置。バウ側のフォワードステートルームにはクイーンサイズのベッドを配している。
「42 Fly」および「42 Grand Coupe」は、ロープロファイルの「42 Sport Coupe」とは部屋数もボリュームもまるで違う別の
ボートに仕上がっている。
この、2部屋あるロアフロアにもギャレーが設けられている。ギャレーの前にはメインサロンへのステップがあるが、このエリ
アを「REGAL」はオープン・エア・アトリウム(Open Air Atrium)と呼んでいる。アトリウムとは本来、ガラス屋根などで覆わ
れた大規模な空間のこと。ちょっと大げさな気もするが、かなり開放感のあるエリアであることは間違いない。
メインサロンは全体に採光性を考えた作りで、全方向のウィンドウが広い面積を占める。右舷前部にはロアステーション。サイ
ドウィンドウはかなり低い位置(シート座面から20cm程度)まで伸びており、操船者には非常に広い視野が確保されている。後
部にはカウンターとラウンジテーブル&ソファのセットが設けられている。秀逸なのはサロンのドアだ。ガラス製のエンクロージ
ャードアはフルオープンし、メインサロンとアフトコクピットが完全に一体化する。アフトコクピットにはL字型の大型ソファが設
けられており、サロンと合わせてひとつのスペースとして利用できる。近年、ヨーロッパのサロンクルーザーでも多く見られるレイ
アウトだ。
アフトコクピットのアクセスステップを上がるとフライブリッジへ。フライブリッジは後部へ張り出しアフトコクピットの上部を
ほぼ覆っている。こちらもかなりの広さがあり、最前部にはアッパーステーションが配置されている。オーニングの取り付けも可能
だが、見た目にはかなり雰囲気が変わって見える。パワートレインにはVOLVO PENTAのIPS 500、またはIPS 600を採用している。
今回のシートライアルは、フロリダ州キーラーゴ沖、ビスケーン湾内で行われた。試乗艇のパワートレインはVOLVO PENTA D6
IPS600、435馬力×2基。当日の海面は至ってフラットなコンディション。巡航速度はおよそ28kt、トップスピードは34ktをマーク
する。42フィートのフライブリッジモデルとしては十分な速度性能だろう。全体にIPSらしいリニアな動きが特徴だった。
サイズを考えると、従来の「REGAL」では考えられない比類な
い広さと豪華さを併せ持つ「42 Fly」。マリーナステイからロングレンジのクルージングまで、これからの海での遊びを広げてくれる
ボートとなりそうだ。ハードトップよりもフライブリッジモデルが好まれる日本での需要も期待したい。「REGAL」2017年モデルの
二つのキーワード、「アウトボード」と「フライブリッジ」。彼らの主要マーケットである北米とヨーロッパのトレンドをうかがわせ
るが、これは日本のマーケットにも通じているように思う。新たな挑戦に向かって進化する「REGAL」。今後発表されるモデルについ
ても期待が膨らむ。 P.B.
SPECIFICATIONS . . . . . . . . . . . . . . . . . . . REGAL 42 Fly
全長 12.8 m
全幅 3.96 m
喫水 1.1 m
重量 12.47 ton
エンジン 2 × VOLVO PENTA D6 IPS600最高出力 2 × 435 HP
燃料タンク 977 L
清水タンク 235 L
問い合わせ先 リーガル・ジャパンTEL: 079-322-8800
http://regalboats.jp
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