ヤマハ藤田 シーサイドクラブ
Surf Rider REGAL 19 SURF
トーイングスポーツ好きの人には見逃せないニューモデルが国内デビューを果たした。
「REGAL 19 Surf」は「REGAL(リーガル)」のミニマムボートにVOLVO PENTAの「Forward Drive」をインストール。
さらには「RegalVue」と名付けられたサーフコントロールシステムを搭載したトーイング ―― ウェイクサーフィンに特化
したモデルだ。
text: Takayuki Kijima
photo: Makoto Yamada, REGAL BOATS
special thanks: REGAL JAPAN http://regalboats.jp
■■リーガルボート 19 SUFE
PDF版は こちら>>>REGAL19SURF
「REGAL(リーガル)」の数あるラインナップの中でも、特に小型モデルの走行ポテンシャルの高さは以前から評判であった。
本国アメリカでほぼ隔年で開催されているREGALのプレス発表会などで試乗するチャンスがあったが、筆者も含め、海外メディア
のジャーナリストたちの評価も上々。まさにランナバウトといった走りで、非常に楽しい走行フィールを堪能できるモデルが多か
った。しかし残念なことに、このクラスとなると国産艇にも競合モデルが多いため、これまで日本に輸入されるケースはさほど多
くなかった。
19フィートの「REGAL 19 Surf」は、現状のラインナップではミニマムクラスだが、その走行パフォーマンスは抜群だ。船型自
体は年々ブラッシュアップされているが、ベースはFasTracハル。これはREGALオリジナルのハルで、レーシング艇などのパフォー
マンスボートに多く用いられているステップドハルをアイデアに開発された艇体だ。艇体のほぼ中央に1段のステップが設けられ、
両サイドに張り出しがある。低速での直進安定性を高め、高速走行時、メーカー発表によるとノーマルハルよりも最大約26%のスピ
ード性能向上が図られるそうだ。また燃費も向上しており、こちらは30%の低燃費を実現している。
そんな魅力あるREGALのスモールボートだが、さらに今回は以前から非常に気になっていた新機軸が導入された。VOLVO PENTA
が開発した新たなスターンドライブ(インアウト)、「Forward Drive(フォワードドライブ)」である。Forward Driveは簡単に言
ってしまえば、前向きにプロペラが付けられた船内外機だ。すなわちプロペラからの推力で艇体を押して推進させるのではなく、プロ
ペラの駆動によって牽引する、IPSと同様の概念のパワートレインである。
Forward Driveは、その革新的な技術が賞され、2015年のマイアミボートショーで「NMMA Innovation Award at the 2015」を受
賞している。 現在、このForward DriveをインストールしたREGALは4艇種ある。「Surf」というシリーズでまとめられているが、
上から「25 RX Surf」、「23RX Surf」、「21 RX Surf」、「19 Surf」である。「19 Surf」のみRXが付かないが、以前からのREG
ALの命名パターンからすると「RX」は装備品関連の違い。たとえば21ft以上のトーイングタワーは「POWERTOWER」という電動可
倒式のタワーが着けられているが、「19 Surf」のそれは固定式という具合だ。ただしサイズを考えると今後も19フィートに関してはR
X仕様は追加されないかもしれない。
今回シートライアルしたのはそのミニマム艇である「19 Surf」。元々ハイポテンシャルな19フィート艇に新たなパワートレインはど
うマッチングするか、非常に気になるところだった。しかし当日は海に出るのもためらわれるクラスの暴風。無理をしての試乗になった。
短時間の試乗だったが、従来のインアウトモデルである「1900 ES」などと同様 今回シートライアルしたのはそのミニマム艇である「1
9 Surf」。元々ハイポテンシャルな19フィート艇に新たなパワートレインはどうマッチングするか、非常に気になるところだった。しかし
当日は海に出るのもためらわれるクラスの暴風。無理をしての試乗になった。短時間の試乗だったが、従来のインアウトモデルである「19
00 ES」などと同様本では「エンドレスサーフィン」と呼ばれることが多い)。Forward DriveについてVOLVO PENTAが開発段階からREG
ALと組んでいたのも、やはりウェイクサーフィンブームによる。
従来型のドライブの場合、プロペラがスイミングプラットフォームよりも後ろにつき出してしまう。そうなると事故の危険性もゼロではな
く、インアウト艇でのサーフィンは基本NGというのが常識だった。しかしForward Driveであればむしろ安全に楽しめる。トーイングやサー
フィンにはインボード艇(またはアウトボード艇)を使うのが当たり前だった業界の「常識」を大きく覆す新機構である。
また「19 Surf」の魅力は単にForward Driveをインストールしただけではなく、さまざまに「Surf」に特化している点だ。特に気に
入ったのが、タッチパネル式のコンソール。「RegalVue」と名付けられたサーフコントロールシステムだ。スピードとサーフィンする
側のウェイキの方向を数タップするだけで設定でき、以降その状態で走行し続けることが可能となる。「ウェイキの方向」というのは、
通常のサーフィン同様、レギュラーの波(左舷後方に立つウェイキ)とグーフィーの波(右舷後方に立つウェイキ)を指し、どちらもト
リムタブで大小つけられる。かつては左舷後方の波を大きくするためには、同乗者全員が左舷に寄って艇体を傾けることもしていたが、
このドライブを使えば、そういった苦労も激減しそうだ。
「19 SUFR」は新機構をたっぷりと満載したミニマムサイズのトーイング用ランナバウト。REGALならではの気の利いた装備の数々で、
ボーティングの質を格段にグレードアップしてくれるはずだ。 P.B.
REGAL 19 Surf
全長 6 m
全幅 2.5 m
喫水 0.9 m
重量 1.40 ton
エンジン VOLVO PENTA V6 240 Catalyst Forward Drive
最高出力 240 HP
燃料タンク 114 L
問い合わせ先 リーガル・ジャパン TEL: 079-322-8800
http://regalboats.jp
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