ヤマハ藤田 シーサイドクラブ
REGAL 50th Aniversary
CELEBRATES 50 YEARS OF BOAT BUILDING EXCELLENCE
2019年10月、アメリカのボートビルダー「REGAL(リーガル)」は、創業50周年を迎え、フロリダ州キーラーゴにて、各国のディーラー
やメディアを集めたパーティー&ディーラーミーティングが開催された。花火が打ち上げられる中、19モデルによる華やかなボートパレー
ドが行われたが、そのうちの5艇は2020年のニューモデル。今回はニューカマー「REGAL 38 SAV」と、昨年発表された「REGAL 33SA
V」を併せて紹介する。
text: Takayuki Kijima
photo: Kai Yukawa, REGAL MARINE INDUSTRIES
special thanks: REGAL MARINE INDUSTRIES
REGAL JAPAN www.regalboats.jp
■■リーガルボート REGAL50周年
PDF版は こちら>>>REGAL 50th ANIVERSARY
北米におけるボートビルダーの歴史は、コングロマリットによる吸収と合併の繰り返しだが、REGALは例外的だ。
アメリカ合衆国フロリダ州オーランドに本拠地を置く「REGAL(リーガル/RegalMarine Industries, Inc.)」が創業したのは
1969年のこと。創業者はPaul & CarrollKuck 夫妻、そしてClarkPrudhon、Gene Kandelの2名が創業を財政的に支援した。
以来、半世紀にわたりKuckファミリーが経営を続け、現在はPaulとCarrollの子どもたちが事業を承継している。さらに創業者の
孫の世代も同社の業務にかかわっている。一貫した家族経営を続け、米国の独立系(株式非公開)ボートビルダーの中では最大規
模の存在となっている。
もちろんその歴史は順風満帆だった訳ではない。オイルショックや景気後退は北米のボート産業自体に多大な影響を与えたが、
REGALは苦難の時代に多くを学んだ。「大きいことが常に良いとは限りません」という方針の元、成長をコントロールし、無借金
状態を維持、株式の非公開を貫き、家族経営を続けているのはこういった経験によるものだ。結果、株主を気にして四半期ごとの
ノルマ達成に四苦八苦せず、より長期的な目標に集中できるという。
大きな画期となったのは1995年に発表された艇体、“FasTrac Hull”(ファストラックハル)だ。一種のステップハルで、低馬力で
高速走行が可能、かつ低速時の保針性を高めた点が評価され、翌年、「IMTEC Innovation Award」を受賞した。その後、顧客満足
度が評価され、「J.D. Power Award」やNMMAの「CSI Award」を多数受賞、現在に至っている。近年は意欲的にアウトボードモ
デルをマーケットに投入。従来のREGALではほとんど触れられることのなかった「フィッシングユース」に大きくシフトしてきた。
今回のディーラーミーティングでも船外機艇が中心で、以前に比べると隔世の感があるのも事実。その野心的なラインナップの中に、
REGALの目指す新時代が見えている。
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