ヤマハ藤田 シーサイドクラブ
多彩なハルカラーも「REGAL BOAT(S リーガル)」の大きな魅力のひとつ。
今回紹介するのはビミニブルーと呼ばれる鮮烈な水色を採用した人気の中型エクスプレスクルーザー「REGAL 33 Express」だ。大型ハードトップを備えた美しいスタイリング、ツイン300馬力ガソリンスターンドライブのパワートレイン、発表から4年以上を経てさらに進化し続ける「33 Express」。
チョッピーな神戸沖でトップスピード37ノットをマークした。
[株式会社パーフェクトボート発行「パーフェクトボート11月号2022」より転載]
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969年の創業以来、「REGAL BOATS(リーガル、Regal Marine Industries, Inc.)」は一貫して家族経営を続けている。コングロマリットに属さない独立系ビルダーの中では米国最大手とされ、離合集散の激しいアメリカのボート業界の中では異彩を放つ存在だ。その独自性は革新的なアイデアにも見られ、さまざまなイノベーションを業界にもたらしてきた。
現在は20 ~42フィートのレンジに35モデルをラインナップするREGAL。従来から小型のランナバウト、中型のエクスプレスクルーザーを得意とし、近年はアウトボード搭載モデルを積極的に投入、コンソールやシート類を右舷に集中させた斬新なフィッシングモデル「SAV」シリーズなども発表している。
今回紹介するのは中型エクスプレスクルーザーの定番モデル「REGAL33 Express(リーガル33エクスプレス)」である。現行モデルは2018年のイヤーモデルとして発表されたスターンドライブ仕様だ。REGALの常であるが、ニューモデル発表後も、カスタマーからの声に耳を傾け続け、年々微修正を繰り返しながら進化していく。発表から4年経った現在の熟成度も気になるところだ。日本でも人気とのことでかなりの輸入実績があるモデルだという。
全長10.36m、全幅3.2m、艇体重量5.73tonのハルに、ツインのVOLVO PENTA V8-300(300馬力)、DPSドライブという組み合わせのパワートレインを搭載。なお「33 Express」のパワートレインには、ツインVOLVO PENTA V6-280からツインVOLVO PENTA V8-350仕様まで、多彩なバリエーションがある。また「REGAL 33 XO」というアウトボード仕様の姉妹艇も存在する。
REGALは多彩なハルカラーを選べるのも特徴だが、今回のモデルにはBimini Blueと呼ばれる鮮烈な水色を採用。シートライアルは8月に神戸市の須磨ヨットハーバーにて行われたが、真夏の日差し、青い海と空にとても映えていた。全体のスタイリングは、前傾した大型レーダーアーチの上に一体化したハードトップを装備。従来日本に輸入されたモデルの多くは可倒式大型レーダーアーチ(PowerTower)&ビミニトップ仕様だったが、ハードトップを搭載したことで、よりシャープな印象に変わっている。
「33 Express」はエクスプレスクルーザーらしいオーソドックスなデッキレイアウトを採用。広々としたコクピットの右舷にヘルムステーションと幅のあるドライバーズシート。左舷側にはL字型ソファが配置されており、後ろの背もたれはバックトゥバックで前後に可動。ドライバーズシート後部にはリフレッシュメントセンターがあり、BBQグリル、シンク、冷蔵庫などが揃う。
コクピット最後部の大型ベンチソファは電動で前後にスライド、さまざまなデッキアレンジが可能である。一体型のスイミングプラットフォームは広く、デッキは全面フレキシチーク張りで素足に心地良い。フォアデッキへはヘルムス脇のステップからアクセス可能だが、ステップがそのままロアフロアへのドアになっているのもエクスプレスクルーザーの定番仕様である。
ロアフロアへ降りるとまずはサロンスペースとなる。L字型の大型ソファが右舷に、テーブルを挟んで左舷にはギャレー、個室ヘッドが並ぶ。サロンの前方はソファの背もたれを倒すことでフルサイズベッドに可変のベッドスペースとなっている。サロンの後ろはミッドキャビンで、ツインベッド仕様となっている。
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シートライアルは神戸市立須磨ヨットハーバーの沖合い。当日は風が強めで多少うねりや波のあるチョッピーなコンディション。ステアリングホイールはチルト角を変えられるため、離着岸時、クルージング時、シートの位置などに合わせて調整可能だ。ドライバーズシートに座り、まずは好みの角度にステアリングホイールを合わせる。
最高速度を狙いストレートで徐々に加速していく。プレーニングに入ると見た目に比べて低重心なことに気付く。この日のシートライアルでは、トップスピード37ノット前後まで到達。重心が低いため速度を上げても非常に安定している。続いて高速旋回をテストする。巡航30ノット前後まで速度を落とし、急旋回を試みるが、思った以上に傾かない。横方向からうねりが来る角度でもテストしてみたが、旋回中も安定した姿勢で走行してくれる。
さらに高速スラロームを行う。特に余計な操作をしなくても、とてもスムーズなスラローム走行を楽しめる。ただし速度が出ている状態で左右に連続して切ると、やや傾きが浅いために横Gがかかる瞬間もある。ゲストがいる時はゆるやかな旋回を心がけたい。もっとも特徴をつかんでしまえば、どんなときも安心安全にコントロールできるだろう。
「REGAL 33 Express」は誰にでも操船しやすい優れたドライバビリティが特徴だが、ある程度無理なマニューバにも対応してくれる完成度の高さは、走りを楽しみたいユーザーをも満足させるだろう。広々としたコクピットと居心地の良い居住空間は、デイクルーズやボートピクニック、マリーナでのオンデッキパーティーやナイトステイなど、多彩なマリンレジャーを予感させる。そして発表からの年数分の微修正により、熟成度すなわち使い勝手もより増した印象である。アメリカを代表するエクスプレスクルーザー「REGAL 33Express」、ビギナーはもちろん、ベテランオーナーをもとりこにする魅力に溢れた、素敵で楽しいモデルだ。
P.B.
REGAL 33 Express
全長 10.36 m
全幅 3.2 m
喫水 0.9 m
重量 5.73 ton
エンジン 2 × VOLVO PENTA V8-300
最高出力 2 × 300 HP
燃料タンク 568 L
清水タンク 136 L
★リーガルボートについてのお問い合わせは
株式会社ヤマハ藤田 tel 079-322-8800 info@sea-c.com
[株式会社パーフェクトボート発行「パーフェクトボート11月号2022」より転載]
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